水産物

対馬の磯焼けの食害魚イスズミ等の商品開発事業

有限会社丸徳水産

長崎県対馬市

【連携体】

  • 八万亀水産

事業内容

当社は干物・水産加工業、蓄養業、飲食業を展開している。
対馬では現在、豊かな漁場や魚介類の生息地となっている藻場が消失する“磯焼け”が全域に広がり、藻場の保全・再生は、対馬沿岸の生態系の維持だけではなく、水産業の喫緊の課題である。磯焼けの原因の一つに、南方系のイスズミやアイゴなどの魚が増加し、海藻類を食い荒らすことがあげられる。
そこで、当社では、数年前から食害魚の資源化に向けて、独自に研究開発を行っている。その結果、イスズミは、鮮度保持と下処理を施せば、様々な料理の食材として利用できるようになった。本事業では、イスズミやアイゴなどの未利用資源を食材として多くの対馬市民や観光客等に提供できるように、手軽な商品・土産品として商品開発を行っていく。

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

全国的に美味しくないと思われているイスズミであるが、当社が考案した調理方法によりイスズミは美味しい食材であることを、島内の試食会や東京でのイベントで実証した。また、2019年11月に開催された日本最大級の水産イベントである「第7回Fish-1グランプリ」国産魚ファストフィッシュ商品コンテストには、当社がエントリーを行い、“そう介のメンチカツ”と題した商品を提供し、30団体51種類の品の中から、最も多くの票を獲得し、グランプリを獲得した。当社が初めて、イスズミが美味しく食べられる魚であることを全国や対馬内に示すことができた。これまで全国で未利用資源として扱われていたイスズミの資源化を実現し、注目を浴びている。

Fish-1グランプリ受賞以降、多くの取材や講演依頼が増え、イスズミの資源としての利用価値について、対馬内で浸透しつつある。より気軽に持ち帰れる商品ができれば、さらなる需要が見込まれる。これまでは、特有の匂いのためにイスズミの利用は進まなかったため、全国的にも類似商品は販売されていない。そのため、唯一無二のインパクトの強い商品として目を引く商品となり、ブルーオーシャン(競争相手のいない領域)を開拓できる。

イスズミは旨味が強く、弾力のある肉質であり、様々な料理の主役として活用できるため、メニューは無限に広がっている。本事業での商品開発をきっかけとして、イスズミやその他未利用魚の資源化・商品化に取組む。
本事業では、イスズミ以外の未利用魚であるアイゴ、その他の定置網で漁獲した未利用魚(イラ、ブダイなど)を活用した商品も併せて開発する。

当社では、これまでに魚の養殖事業、加工事業、飲食事業と多岐にわたる事業を展開している。
原料調達については、定置網事業者と連携して、安定供給の体制を整える。
また、デザインを委託する一般社団法人MITは、加工品開発のトータルデザインの実績があり、デザインや物販、販路開拓に関する実績と専門技術・知識を有している。本事業の一連の商品においても、高付加価値化を実現するパッケージデザインや営業ツールの制作に期待できる。
味や栄養成分だけでなく、新規性・ストーリー性、希少性(ブルーオーシャン)、お土産としての商品力・デザイン力などの高付加価値を積み上げていくことで、商品価値を高めることができる。

地域活性化への波及効果

これまで未利用だった南方系のイスズミやアイゴなどの資源化の取組みは、磯焼け対策や藻場再生に留まらず、対馬の新たな市場の確保の機会として位置づけられる。
本事業を通じて、できる限り対馬島内で生産される原材料を使用することで、島内の生産者の売上向上にも貢献する。
未利用資源の島内流通の仕組みが確立できれば、対馬の水産物が島内で食べられるきっかけを作れる。対馬の商業・観光業への好循環が生まれ、地産地消の推進も期待できる。
さらには、全国的に未利用だったイスズミやアイゴの商品開発は、対馬発の新しい取組みとして全国の参考事例・先進事例として注目されることが期待でき、対馬のPRにも貢献できる。
島内の商業や農林水産業を営む事業者にも、農商工連携による高付加価値化の先進事例を示すことができ、対馬の産業の底上げや意識啓発にも貢献できる。また、学校給食への提供や出前授業を行うことで、環境保全と産業の両立への持続可能な産業の好事例を提供し、SDGsや環境教育の推進、ひいては市民の郷土愛の育成にも貢献できる。

代表企業等の連絡先

有限会社丸徳水産
所在地:対馬市美津島町久須保668
電 話:0920-54-3002
FAX:0920-54-3370

採択日:令和2年7月7日