水産物

長崎産彼岸ぶりなど未利用魚を使用した蒲鉾の開発 販路開拓

有限会社木村蒲鉾

長崎県長崎市

【連携体】

  • 長崎市新三重漁業協同組合
  • 長崎蒲鉾水産加工業協同組合

商品紹介

事業内容

当社は長崎市京泊で魚肉練り製品の製造販売を行っている。主な売上が量販店に偏っており、ネット通販など直販の売上が少ないのが課題である。そこで付加価値の高い商品、他社に真似できない商品の開発、消費者に商品を知ってもらうための広告宣伝が必要である。
近年、長崎県ではぶりの漁獲量が増加しており、特に漁獲が集中する春には供給過多となり、需要が低迷している。本県におけるぶりの加工品は漬魚などごく一部に限られているため、新たな加工品の創出が求められている。上記の課題から、長崎市新三重漁業協同組合で大量に漁獲されるぶりを、安価かつ安定的に供給される資源と位置づけ、長崎蒲鉾水産加工組合と連携し、当社でぶり蒲鉾の開発を行う。
一般的に蒲鉾の原料はスケソウダラを主原料として作られ、ぶりなど脂身の多い魚は蒲鉾にするには適していない。本事業では連携体間の技術、専門知識を取り入れ、肉質の変化、風味の変化等を試行錯誤しながら商品開発を進める。
商品は、高級感のあるパッケージをデザインし、お土産や贈答品として選ばれるようなものとする。商品開発後は、既存の販路を活用するほかに、展示会や見本市への出展、新規百貨店にも商談を行い、お土産商品、ギフト商品としての販売を目指す。自社ホームページでも商品を紹介するページを新たに作成しネット通販での販路拡大を行う。さらに、YouTubeでのコラボなどを活用し実店舗、ネット上での商品の認知度向上を図る。

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

当社はこれまで主に量販店向けの単価が安い商品を主としており、ギフト商品、単価が高い商品は少なく、新規性があると思われる。
ブリの蒲鉾は需要があるものの、全国へ販売するには主に3つの課題の克服が必要である。
①脂身で加工が難しい。②身の質が安定しない。③原料が高く商流に乗らない。
上記3つの課題を解決し商品化を目指す。

ぶりは栄養価が豊富で、様々な効果が期待できる。良質なたんぱく質とDHA、EPAという成分が豊富に含まれており、生活習慣病や脳の働きに効果があるとされている。またビタミンと鉄分も豊富に含まれており美容の効果と貧血予防としての効果も期待できる。他にもぶりは出世魚として節句などの縁起物としても重宝されており、顧客のニーズは高いと考える。このように沢山の栄養と効能が期待できるぶりを蒲鉾に加工することで骨がなくなりお子様でも気軽に食べやすくなる。さらに幅広い世代へのニーズに応えることができると考えている。

商品化後は、お歳暮のギフト商品としての販売から始める予定であるが、展示会、商談会への出展にも取り組み、全国各地へ販路を拡大していく。
また、ホームページで新商品の案内をすると同時にネット広告等で発信する。コロナウイルスの影響でネット通販の需要が増えていることから、さらなる市場の拡大が見込まれる。

当社は創業以来蒲鉾にするには難しいとされているホタルジャコなどの青魚を使った商品を製造しており、技術的に商品開発が可能である。長崎市新三重漁業協同組合からぶりの性質に関する技術指導を受け、長崎蒲鉾水産加工組合からすり身に関する技術指導を受けることで、連携体で協力し、試作を重ねていく。原材料のぶりに関しては、問題なく供給可能である。
当社は、大都市圏への集中的な営業により売上を伸ばしており、さらに県外への販路を拡大させる。

地域活性化への波及効果

これまで供給過多となり価格が下がっていた「彼岸ぶり」は「寒ぶり」と比べて脂がのっていないが、蒲鉾にするには比較的加工しやすい。「彼岸ぶり」を有効活用することで、長崎市新三重漁業協同組合や地域の漁業者の収益の増加につながる。また、都市圏へ販売することで全国へ長崎産ぶりの知名度向上とブランド力向上が大いに期待できる。
また、長崎はかまぼこ市場をさらに拡大する取り組みとして、長崎市長を国王に添え、地元商工会議所、十八銀行と地元蒲鉾業者が一体となり「長崎かんぼこ王国」という、かまぼこの需要喚起を促す活動を行っている。当社も正会員として積極的に参加している。

代表企業等の連絡先

有限会社木村蒲鉾
所在地:長崎市京泊3丁目16-19
電 話:095-860-1266
FAX:095-860-1267
HP:https://kimurakamaboko.com/

採択日:令和2年9月1日