水産物

対馬の未利用魚を活用した常温流通そうざい商品の開発及び販路開拓事業

 

特定非営利活動法人 對馬次世代協議会

長崎県対馬市

【連携体】

  • 合同会社フラットアワー

商品紹介

事業内容

当社は、長崎県の離島・対馬市で、2012年に地元の若者と地域おこし協力隊の移住者が立ち上げたNPOである。当社ではこれまで植物原料を使った加工食品をメインに製造していたが、連携先となる合同会社フラットアワーより、販売先がない未利用魚が季節ごとに大量に廃棄されていることを知り、本事業では小規模なレトルト釜を導入し、対馬の未利用魚を活用して常温流通可能なそうざい特産品の開発に取り組む。開発商品は、需要の高いお酒のつまみ、ごはんのお供に的をしぼり、アヒージョや佃煮、しぐれ煮等の開発を行う。
販路と仕様は、島外通販発送用商品やギフトセットとして、全国一律で送ることができるパウチ商品をメインに開発。島内需要には瓶入りの商品も検討する。
販路開拓のため、都市圏でのマルシェや島外の対馬フェア等で試食や商品案内チラシの配布を行う。同時にアンケート調査を行い、販路拡大に必要な商品改良の意見収集を行う。

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

①植物素材をメインに扱ってきた当社にとって、魚介類、ジビエなどをつかった流通可能な商品の開発は新しい取り組みである。
②対馬で販売されているお土産商品で「アヒージョ、つくだ煮、煮付け」を製造している業者はない。また、可能な原料はすべて対馬産かつ無添加という商品は皆無のため、非常に新規性が高いと言える。
③対馬産品の中では非常に珍しい、常温で全国一律料金で1個から配送できる薄型パウチ形態を予定している。
④「ホウライヒメジ」などの未利用魚を利活用した商品開発の取り組みは全国的に見ても珍しく、対馬の食材を組み合わせることによって、珍しい素材の魅力を最大限に引き出すことができ、他地域の類似商品とも差別化が可能である。
⑤技術習得したあかつきには、小回りの利くレトルト商品開発の受託サービスも行い、対馬の多くの生産者の活躍の機会を広げていきたいと考える。

①常温の持ち運びしやすい形態にした魚介を使った特産品は、国内観光客・対馬島民(島外の人へのギフト需要)・島内土産物店・島外の対馬関係業者・既存顧客等、各方面から切望されていた。
②近年の輸送コスト増により送料がネックとなって、ただでさえ原材料費の高い対馬の産品は、通販市場から取り残されかけていた。全国一律料金で1個から送ることができる仕様の商品開発により、今後は送料を気にせず通販市場の開拓が可能となる。
③近年のごみ減量の風潮やマイクロプラスチック削減問題からも、要冷蔵・要冷凍商品の包装時の発泡素材は敬遠される傾向にあり、簡易包装で流通、発送できる常温素材のニーズは非常に高い。

瓶詰め・平パウチともに基本レシピを1種類開発した後は、バリエーションとして、季節ごとに違う魚種・貝類・ジビエ・地鶏・しいたけなど種類を増加していく予定である。これまでの菓子やジャムの製造販売の経験により、シリーズ化して販売することにより相乗効果が現れ、飛躍的に売り上げが伸びることが期待できる。
また、魚介類、肉類のそうざい加工技術を習得し、この知識とノウハウを元に、島内の生産者に対して、商品開発の支援サービス及び受託加工サービスも行っていきたい。

当社は創業以来、対馬島内の様々な事業者と連携して素材を調達し、対馬素材を使った薬草加工、菓子製造、ジャムづくりを行なっている。代表者は前職も含めて加工食品製造に長年携わってきた食品加工のプロであり、製造スタッフも知識と経験は十分持ち合わせている。このたび新たに習得する常温そうざい製造に関する知識・新しい機械の扱いに関する知識とアフターフォローは、本事業による専門家招聘によって万全の態勢で身につけることが可能である。
原料供給については、連携先のフラットアワーの他、既存取引先の協力により問題なく確保することができる。

地域活性化への波及効果

これまで廃棄されていた未利用魚種が有効活用できることで、連携先の合同会社フラットアワー及びフラットアワーに納品している個人漁業者の収益増につながる。併せて副原料を生産している農家及び生産者の収益増にもつながる。また、開発商品の安定した数量の販売が見込めるようになった後には地域の雇用も数人増大する。
全国に対馬産未利用魚の商品が広がることで、アジア地域の漁業資源の核となる対馬海域の水産資源問題にも注目が集まり、支援者が増える可能性が高まる。
当社が地域の中で、農水産物の網羅的な知識を有する試作ラボとして機能することで、多くの生産者の未活用資源の有効活用の道が広がってゆく。

代表企業等の連絡先

特定非営利活動法人 對馬次世代協議会
所在地:対馬市厳原町宮谷178-1
電 話:0920-52-7135
FAX:0920-52-7139
HP:http://conosole.jp/

採択日:令和元年7月1日