株式会社シモダアメニティーサービス
長崎県長崎市
【連携体】
- 株式会社山野果樹園
事業内容
当社は長崎県長崎市で、オゾン事業や害虫・害獣の防除など建物の環境衛生管理を行っている。創業32年を迎え、自然に優しい快適な環境づくりを目指して日々努力しており広く認知されている。
自社製品の青森ヒバを主原料とする「サスピュア」は、建築用材として使われており防虫・防腐効果がある。また、長崎県だけでなく全国でも問題となっているマダニにも効果があると言われている。
現在、全国の養蜂家はダニなどの問題に直面しており、ダニがミツバチに寄生することで、その群が衰退することで、養蜂家の数が減少している。
そこで、「サスピュア」のミツバチとマダニへの効果を検証していきたいと考えた。
しかし、商品開発の過程で、サスピュアに含まれる成分(ヒノキチオール)の影響で強い香りが発生する課題があり、サスピュアと長崎県産農産物を使用した新商品の開発を模索していたところ、ミツバチと果物生産農家の深い関わりについて理解されている株式会社山野果樹園と連携し、商品開発に取り組むこととなった。
本事業では、廃棄されている県内産の「みかん」・「びわ」・「ゆうこう」の果皮や規格外品を活用し、獣医師監修のもとで忌避剤の開発を行う。
長崎総合科学大学工学部土居研究室との産学連携により、香料の抽出技術や商品との混合技術を駆使して取り組む。
事業実施体制
新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力
弊社の開発した既存商品は、「蜂につくダニや害を及ぼすマダニ等を殺すのではなく防除する」という特長を持った商品である。全国的に見ても、マダニに忌避させるために自然由来の素材を用いた製品はほとんど存在しない。一般的に、マダニ忌避剤としてはディート(DEET)という化合物が広く用いられている。
弊社商品(サスピュア)は、忌避効果のある成分として自然由来のものを使用しているため、環境に優しいものと考えられる。
さらに、弊社の商品は単にマダニを忌避するだけでなく、蜜蜂の健康にも寄与する可能性があると考えられる。この既存商品に香料で使われているリモネンなど、自然由来の成分が加わることで、これまで以上に蜂が健康になり、マダニへの忌避効果も得られることが実証されれば、弊社の商品は大きな新規性を持ち、類似する他の商品との差別化が可能である。
ミツバチは花粉交配用昆虫として利用することで、作物の受粉を助け、イチゴ・メロン等の果物、野菜等をはじめとした作物栽培およびタマネギ等の種子生産に貢献している。直近の作物栽培報告では、約6,700億円の経済効果があると推計されており、農業に対する経済効果は大きいと考えられる。
日本のミツバチを健康にする環境資材として、長崎から九州、さらには気候、環境が異なる東北、北海道まで全国の養蜂家が活用できるような資材とする。
また、実際にマダニの忌避効果が実証されれば、ペット用のスプレーとして、全国のペットショップで販売を試みる予定である。いずれは、国外を視野に入れることで、さらなる市場規模が見込まれる。
国内で天然成分を使用し、忌避剤スプレーとして十分に実験された商品はない。高度な安全性試験を繰り返し、商品化した後に、最初は自社で販売し、その後展示会や商談会に積極的に参加して長崎から全国展開を目指す。
さらに、日本獣医師学会やミツバチ関連の団体と協力し、全国のペットショップや養蜂家へと徐々に販売網を広げていく。
最初の段階では「みかん」や「ゆうこう」、「びわ」などの香りを使った商品を開発するが、次のステップとして長崎の「ラベンダー」などの植物を活用し、農業との連携を強化し、商品をシリーズ化またはセット化して展開する計画も考えている。
将来的には、土居講師より長崎大学医学部や大分大学医学部との連携パイプにより、OEMでの医薬部外品という商品分類を目指し、消費者が安心して使用できる製品を提供する。
当社は、特殊技術により、安定的にサスピュアの製造・改良をしているため、製造技術やノウハウ、設備等の経営資源を有するため製造体制に問題はない。また、外部協力先として、ミツバチの専門家である獣医師や養蜂家、長崎総合科学大学の教員等の人的資源があり、技術的にも商品開発が可能である。「みかん」や「ゆうこう」、「びわ」を活用したスプレーに関しても、香料の配合方法や配合量等について精密試験により試作を重ねていく予定である。
また、原材料の「みかん」や「ゆうこう」、「びわ」に関しても、連携体や外部協力の地域農業者からの協力を得ることで、問題なく安定供給が可能である。
地域活性化への波及効果
長崎県発信の独自商品として、「長崎らしさ」をより表現するために、県が積極的にPRしている農産物の一つである「みかん」や「びわ」を使用するとともに、長崎でしか自生しない「ゆうこう」も使用する予定である。本商品が完成することで、全国に長崎の「みかん」と「びわ」、そして「ゆうこう」の素晴らしさを伝える架け橋となることで知名度の向上を促進し、さらに、香料抽出には果皮のみを使用するため、連携団体が抱える廃棄物の有効活用や、生産者数の増加や後継者問題の解決にも寄与すると考える。
また、長崎県内には約227戸の養蜂家がおり、合計5,052群の巣箱が存在している。ミツバチの周辺環境の改善が認められることにより、多くの長崎の養蜂家が利益を得ることが期待される。さらに、花粉交配用のミツバチに対する貢献も大きく、このプロジェクトを通じて、長崎県を含む地域の産業活性化を目指していく。
代表企業等の連絡先
株式会社シモダアメニティーサービス
所在地:長崎市田上4丁目8-13
電 話:095-820-7001
FAX:095-820-7002
HP:https://sas-ozone.com/
採択日:令和6年7月25日