農産物

五島産和牛の商品開発および販路開拓

株式会社山口Farm

長崎県五島市

【連携体】

  • 有限会社心誠

事業内容

申請者の㈱山口Farmは、五島市で繁殖農家として繁殖和牛の生産を行っているが、昨年から一部の牛を肥育して、自社の肉として販売する取組みを開始した。
連携体の有限会社心誠は五島列島の福江島で日本料理店を営んでおり、全国放送のメディアからも多くの取材を受けるなど知名度が高い。
本事業では、申請者が飼育している牛の精肉加工する際に発生する骨や切れ端肉、牛すじ、ミンチ類などを無駄なく活用して、連携体の設備と技術でハンバーグや牛すじ煮込み等の加工食品を商品化する。
また、当社が肥育農家としての取組みを確立することで、若手の繁殖農家が肥育に取組むきっかけとし、将来的には五島内に肥育農家を増やして五島牛の流通量を増やしていきたい。

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

申請者は現在、肉の加工品を製造していないため、五島産牛を使った加工品の開発は新しい取組みであり、連携体でも、魚の加工品の製造販売に特化しており、五島の肉を使用した加工品の商品化は現時点では行われていない。
また、五島市内の畜産農家で、畜産加工食品を開発・販売している事業者は存在していない。
当社では畜産農家が商品化を行うため、生産から加工、販売までのすべての過程をWEBを活用して消費者に開示することで、安心・安全を基準とした付加価値を高めることができるだけでなく、五島の風土や農家の取組みを知ることができるため、より価値の高い商品として認識されることが期待できる。

インターネット上では五島産牛の加工品に対する需要は高い。
美味しさや品質の高さに加え、地元の特産品としての魅力やローカルな味を楽しみたいという声もあり、通販で手軽に購入できることや、ギフトとしての価値も期待されている。
平成24年開催の「第10回全国和牛オリンピック・長崎大会」では肉牛部門で、本県から出品され た3頭が優勝するなど五島産素牛が上質な肉として全国的に広まり、五島産の牛肉や加工品についての需要が高まっている。
また、ふるさと納税においては連続ドラマ「舞い上がれ」の影響などにより、2022年度は6億円を突破していることに加え、漫画「ばらかもん」がドラマ化し、テレビで全国放送されたため、五島市の認知度が更に向上し、観光客が増加すると予測する。

今回の事業は、五島産の牛肉を使用した4商品の開発・販路開拓に取組む。商品開発を担当する連携体の代表者の45年間の調理経験を生かして、五島産牛を活用した多様な加工食品を開発し、広めていく計画。
五島牛は、その優れた味わいと特長的な肉質から、将来的にも成長性が期待されており、観光客を通じて全国的にも知られる存在となり、食通・肉愛好家からの評判は口コミやSNSを通じて広まっている。五島産牛の評価が高まることで、五島産の牛肉を使用した加工食品に対する需要が増加する。
また今回の取組みで、繁殖農家である申請者が肥育まで行い、五島産の牛肉を使用した加工食品として販売していくことで、若手の繁殖農家のモデルとなる。
島内の若手の繁殖農家が肥育を開始することで、五島産の牛肉の生産量が拡大し、更なる成長が期待できる。

原材料の供給については安定して提供できる環境にあり、開発予定商品の一部(ハンバーグと牛すじ味噌煮込み)については、現在も連携体の飲食店で提供している人気メニューで、製造に必要な設備も連携体が保有しているため、原材料の確保や製造設備にも問題はなく、商品開発の実現可能性は高い。
開発した商品は連携体の店舗の土産コーナーで販売する予定であるが、連携体の店舗には多くの観光客が訪れており、飲食メニューとして五島産牛のハンバーグ等も提供してるため、購入いただける可能性が高い。また、インターネット販売についても、連携体では既に既存商品の販売実績があり、、商品を追加するのみであることから、スムーズな実現が可能である。また、ふるさと納税についても、連携体では既に返礼品として商品を出品しており、ノウハウを活用できることから、販路開拓の実現可能性は高い。

地域活性化への波及効果

五島産の牛肉を使用した商品が島外に販売されることで、五島産の牛肉のブランド価値を高める効果が期待できるとともに、商品のPRを通じて五島列島のPRとなり、波及効果を生み出すことが期待できる。
また、牛の繁殖農家である申請者が、肥育農家として牛を育て、更に自社の牛肉を使用した商品を販売する取組みは、島内の他の繁殖農家のモデルとなりうる。申請者の商品が広く販売されることで、島内に牛の肥育農家が増え、五島産の牛肉の生産量が拡大することが期待できる。

代表企業等の連絡先

株式会社山口Farm
所在地:五島市岐宿町中嶽1037番地4
電 話:0959-83-1795
FAX:0959-83-1795

採択日:令和5年8月8日