農産物

五島椿の酵母菌で有機栽培された椿芋バター、フィナンシェの商品開発及び販路開拓 

株式会社アグリ・コーポレーション

長崎県五島市

【連携体】

  • 株式会社SAMURAI SUMMIT

商品紹介

事業内容

当社は2011年に設立し、現在は有機甘藷を中心とした経営を行っている。加工品としてかんころ餅の原料である茹で干しかんころや、赤ちゃん用のおしゃぶり干し芋などを商品化し販売している。
将来的な輸出を見据えて、生産圃場と加工施設の有機JAS認証を取得し、青果物、加工品ともに付加価値を付けた販売体制の整備を進めている。
連携体の株式会社SAMURAI SUMMITと連携し、「椿芋バター」と「椿芋フィナンシェ」を開発、販路開拓を行う。
当社が五島椿の酵母を用い有機栽培したオーガニックさつまいもを、自社の有機工場で一次加工したペーストを主原料として使用するのが最大の特徴。
商品開発にあたっては、連携体の販路開拓先の一環である展示会へ出展し、インターネットを利用し一般消費者から得たアンケートにて販売動向などの市場調査を行う。商品完成後は、下記の販路を活用し、販路拡大を図る。

(1)当社のさつまいもの青果販売先、赤ちゃん用干し芋の取引先、さつまいもペーストの取引先などの既存取引先。特に有力なのが3年前に本事業で開発した安納芋バターの取引先。
(2)連携体株式会社SAMURAI SUMMITの販路支援にて新しい問屋・小売店へ新規営業。
(3)当社ECサイトでのネット販売。特にネット検索から誘導する「オウンドメディア」に力を入れる。そのため専門家よりノウハウ等指導をいただく。
(4)全国商談会・展示会での新規取引先開拓。

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

当社は有機認証を受けているが、全国の総農家数に対して、有機農産物事業者数は0.1%と希少性が高い。
また、有機と椿酵母の組み合わせでの事業は稀な取組みであり、五島内では五島の椿プロジェクトを立ち上げている団体もあることから、プロジェクトになり得る新規性、希少性があるといえる。
なお、酵母菌は肥料の分解力を高めて吸収を良くするため、糖度などの品質に良い影響を与えることが期待される。

オーガニック食品市場規模は成長を続けており、一般のスーパーでもオーガニック食品(農産物・加工食品)の取り扱いが増え、売場面積全体が拡大している。
「椿芋バター」は、有機さつまいもペーストと、北海道の日高バターを原料とする。ターゲットとして、所得の高いシニア層や朝忙しくても子供に良いものを食べさせたいと考えているパン派の40~60代の女性を想定。
「椿芋フィナンシェ」は、フィナンシェが自宅用にもギフト用にも人気のスイーツであるため、幅広い層をターゲットに想定している。

当社は収穫されるさつまいもの規格毎(大きさ・重量)に販売戦略をとり、

1.大サイズ(20%):ベビーフード・ペットフード
2.中サイズ(40%):有機さつまいも
3.小サイズ(20%):輸出用青果・冷凍焼き芋・干し芋
4.規格外品(20%):一次加工しペースト・パウダー
にして販売する戦略をとっている。

上記のように規格毎の4つの販売戦略をとっていることにより、
1.一定した売上高
2.通年での収入と従業員の確保
3.加工による賞味期限の延長
4.腐敗率低減
5.利益率向上
6.取引先増加
などが実現しているため、規模拡大を進める背景が出来上がっている。

会社設立当初から商品開発をしてきた、「オーガニックおしゃぶー」「ワンちゃんのおやつ」「安納芋バター」などは、商品化で終わることなく現在も販売数が伸び続けている。
令和元年度に同事業にて採択されたオーガニックジャム「安納芋バター」「安納芋バターバニラ」の2年間での累計売上は約600万円、販売数は約1万本と取引先は順調に伸びている。長崎県新作展コンテストにおいても受賞した実績があり、本事業で開発する椿芋バターが第三のラインナップ商品にあたり、ギフト用としての需要の期待も高い。
事業の開発商品の原料となる、当社で栽培した有機さつまいも及び主原料であるペーストは自社生産であり、バターの確保及び製造は現在取引がある委託製造会社が担う。
BtoB営業を連携体の株式会社SAMURAI SUMMIT、BtoC向けプロモーションづくりも依頼しており、事業実施体制は整っていることから実現性は高い。

地域活性化への波及効果

2020年に五島甘藷研究会を立ち上げ、現在収穫高600tであるが、2030年には収穫高4,000tを目標にしている。設立メンバーは5名で全メンバーが規模拡大を目指している。
直接的な波及効果として同メンバーの製造したさつまいもの買取、間接的には規模拡大、雇用増に繋がる。
また、当社は「オーガニックをプラットフォームとした街づくり」を長期ビジョンとし、耕作放棄地解消、空き家解消、移住者定住促進を企業目標としていることから、規模拡大・雇用の増加・街づくりの推進に繋がる。

代表企業等の連絡先

株式会社アグリ・コーポレーション
所在地:五島市三井楽町濱ノ畔1937番地4
電 話:0959-84-2989
FAX:0959-84-2990
H   P:http://osyaburi.jp/index.php

採択日:令和4年7月28日