システムファイブ株式会社
長崎県長崎市
【連携体】
- 朝長嘉裕
事業内容
日本の農業事業者数、農業総産出額は年々減少しており、食糧自給率向上のために、農業事業の拡大が課題である。そのためには農業をより魅力ある産業へ変革する必要があり、近年オランダ型の農業としてハウスにおける環境制御システムが注目を集めているが、導入価格が高額であり、導入率は非常に低い。本事業においては、長崎県のハウス農業の生産性・農業所得を向上させ、より魅力ある産業へ発展させることを目的として『小規模ハウスでも導入可能な低価格環境制御システム』の開発を行う。
連携体の農業事業者及び農林技術開発センターのハウスへ今回開発する環境制御システムの設置を行い、農業事業者の生産ノウハウを元に評価、改善を行いプロトタイプ版の完成を目指す。事業完了後には当社製品として商品化し、ユーザーの開拓、販売を行っていく。
当社では、平成29年度長崎県農商工連携ファンドの採択を受け事業に取り組んだ。今年度事業では、前回事業における残課題及び新たな課題の解決に向け、継続して事業を行う。
事業実施体制
新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力
当社にとって農業分野の環境制御システム開発・商品化は新しい取り組みである。 環境制御システムは既に複数販売されているが、当事業で開発する製品は、セキュリティ対策を実装した製品とし、かつ小規模農家でも購入可能な価格での提供を目指す。
ハウスの中でも環境制御による効果が高いとされる「イチゴ」と「トマト」をターゲットとする。これらのハウスの環境計測・制御システムの導入状況は、2%以下であり、十分に市場への参入余地があると考えている。また、環境制御システムの導入は国や県の事業としても推進されており市場ニーズは非常に高い。これまで価格的なハードルで導入を断念している農業事業者などへ大きな魅力ある製品となると考えている。
本製品はまず長崎県内のイチゴ及びトマトハウス向けに販売を行う計画である。また、イチゴ・トマト以外の作物への展開も検討していく。当システムの導入により生産性の向上や労働負荷の軽減が実現され、農業所得の向上、生産規模の拡大が期待できる。将来的には本システムに集積したデータを使い、長崎県の農業ビッグデータ解析・AIによる最適設定の自動提案機能なども視野に入れて活動していきたい。
既に制御ハードウェア、遠隔監視・制御のソフトウェアは「SFKあぐり」として前回事業において完成しており今回は追加改造がメインとなる。
<今回の改造課題>
① サイドカーテン、谷換気の自動制御
既に制御仕様の確認は終了しており、ソフトウェア製作の目途はたっている。現場機械でのテストが主要な作業である。
② 新たな制御機能追加
既存の制御ロジックへの改造で実現可能であるとの目途はたっている。
③ 計測システムの開発
当社はこれまで多くの遠隔監視(計測)システムを開発しており、その技術の延長線上で開発可能であるとの目途をたてている。
④ セキュリティ対策実装
社内に情報処理安全確保支援士が在籍しており、セキュリティに関する包括的な検討が可能な体制を整えているため、実現可能であると考えている。
地域活性化への波及効果
農業事業者は、環境制御システムの導入により生産性の向上や労働負荷の軽減が実現され、農業収入の向上・経営改善につながる。当社にとっては、新製品による新たなビジネスチャンスとなる。また、農業分野への進出が可能となり、今後の活動の幅の拡大につながる。さらに、本製品を拡販する際には地場電設業者へのビジネスチャンスとなる。
本製品の普及により、県内の農業生産高の拡大、長崎県農業を魅力ある産業に発展させ、若年層の新規就農促進へ寄与することも可能である。
代表企業等の連絡先
システムファイブ株式会社
所在地:長崎市葉山1-9-31 日障シャトービル2階
電 話:095-856-6160
FAX:095-856-6161
HP:http://www.sfk-nga.co.jp/
採択日:令和元年7月1日