農産物

はさみ産米粉を使った特産品の開発

西海陶器株式会社

長崎県東彼杵郡波佐見町

【連携体】

  • 小林善輝
  • 株式会社はさみ温泉ファーム

事業内容

当社は、波佐見町の観光スポットの一つでもある「西の原」を運営していることもあり、波佐見町の特産品開発を波佐見町役場と共に行っている。波佐見町は近年観光客が増加しているものの、陶磁器以外のお土産品は少なく、農業生産品としては米の生産が主流で、日本百選に選ばれた鬼木の棚田など棚田米として一部販売されているのみである。
そのような中、昨年度、波佐見産米粉の利用を目指して米粉の生産設備を導入し、波佐見町観光協会が販売する米粉クッキーの原料として供給を開始、2件の生産者と契約して3aの米粉米を生産した。米粉はグルテンが含まれていない事から麺やパン等に小麦粉の代用品としての活用は難しいことから、米粉の活用に適した品種としてミズホチカラの栽培を町内の水田で始め、更に最新式の湿式気流製粉機を導入したことにより、米粉の製造が出来るようになった。今後は、休耕田の活用に向け、更に栽培面積を広げていく計画である。
町内における米粉の利用拡大は最大の課題となっていることから、本事業にて波佐見産の米粉を使用した特産品の開発に取組んでいく。 菓子店でのカステラやケーキ類への米粉の活用や飲食店における米粉麺の活用により、地産地消型の利用促進のため、波佐見町観光協会及び波佐見温泉ファームと連携し、商品開発と町内での利用推進及びPRを図っていく。
また、過去には波佐見高校において棚田米を使ったシフォンケーキを開発し、町内のイベント等で提供し一定の評価を得た。このような取組みをベースに、スイーツやカフェメニュー、米粉麺の開発、パッケージデザインを行う。加えて、都市部での展示会や商談会において試食や市場調査等を行い、市場ニーズを取り入れることで、土産物品と飲食店での食材としての活用により、波佐見産米粉を波佐見町の特産品とする事を目指していく。
商品開発後は、町内土産物販売店や菓子店での販売、米粉麺や米粉を活用した飲食店でのメニューを増やすことで、波佐見産米粉の地産地消を目指していく。
また観光協会での観光パンフレット及びホームページ等で紹介することにより、知名度向上に繋げると共に、福岡及び都市圏で開催される展示会に出展し、販路の拡大を目指していきたい。

■事業化予定:令和4年4月

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

地元産の生米粉を使った商品は全国的にも珍しく、米の生産においても陶磁器製造の過
程で使用される石膏型を細かく粉砕した廃石膏を土壌改良剤として使用し生産するなど、新しい取組みとしての話題性がある。
なお、生米粉の使用に際しては地元での使用に限られていることから、地産地消の商品として差別化できると考えている。

近年、グルテンフリーのニーズが高まっており、米粉商品への関心も高くなっている。
波佐見町においては観光客が増加傾向にあり、特に若い女性を中心に、波佐見町内で食に費用をかける傾向があり、将来的には波佐見町内の飲食店で地元食としての提供も計画していく。

米粉カステラ、米粉シフォンケーキ等、お土産品の商品化から米粉麺を使ったフォーの
提供、米粉ピザなどの用途に展開可能である。波佐見町において特色のある食材が求められていることなど、飲食店や菓子店との連携による提供が期待される。

令和2年度の波佐見町観光協会の事業として、波佐見産米粉の陶箱クッキーを販売して
おり実績が出始めている。また、当社の関連会社であるレストランCOYANE(コヤネ)ではフォーのメニュー提供をしており、米粉麺の開発に合わせて自家製麺に切り替え
ていく予定である。
町内の製菓店においても米粉カステラの試作中であり、カステラに加えて新しい商品を計画しており、本事業への相乗効果が期待される。

地域活性化への波及効果

当社が既に実施している特産品の開発は、波佐見町とも連携した取組みであり、鬼木加工センターで生産したクッキーを波佐見焼と組み合わせた商品として販売している。
今回開発する新しい商品においても、波佐見焼とのコラボ商品や波佐見高校との連携によるパッケージデザインや商業クラブとの商品開発等、地域を巻き込んだ特産品として展開が可能である。
加えて、中山間地の休耕田を活用した米づくりなど、農業分野の課題と廃石膏の活用など波佐見町地域の課題解決につなげたい。

代表企業等の連絡先

西海陶器株式会社
所在地:長崎県東彼杵郡波佐見町折敷瀬郷2124
電 話:0956-85-5678
FAX:0956-85-2052
HP:https://nagasakigoto.co.jp/

採択日:令和3年6月23日