アイアカネ工房
長崎県雲仙市
【連携体】
- 宮田 和晃
事業内容
当社は藍染めの商品と、食べる藍シリーズ(藍のお茶、ハーブティー、粉末、塩、ふりかけ)を製造・販売しているが、本年度出展した商談会において、海外バイヤーからの評価が高かった。藍は主に染料として使用されており、食品に関しても藍色の発色の要望があるが、現在の商品は藍色ではない。そこで、蒼い色を発色させるハーブを活用し、藍色を得られる商品の開発を行う。また、現在販売中の藍のお茶は、香りも弱く、個性を感じにくい。藍の茎をローストすると、バニラのような芳香が得られることから、茎をローストした新商品の開発を行う。
現在は、自社において藍の生産から商品の製造販売を行っているが、藍が不足する可能性があり、今後の耕地の確保が困難である。これらに対応するため、連携体の宮田和晃氏に、藍とハーブの栽培を行ってもらう。海外では残留農薬検査が求められることから、この基準のクリアを目指す。併せて、商品の成分分析も行うことにより、付加価値の高い商品として訴求していく。藍は食品としては身近ではなく、説明が必要であることから、使用方法などを紹介するためのレシピの開発と、パッケージ及びパンフレットの開発・制作を行う。
事業実施体制
新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力
県内で食品として藍を扱う事業所は当社以外に存在せず、国内においても、当社を含め5社程度である。さらに、生産から一貫して対応している事業所は当社のみである。藍は栄養成分が高く、ハーブティーなどで提供するにあたり優位性が高い。藍を食品として提供することができる事の意外性もあり、新規性が高い。
既存商品は、海外から引き合いがあり、バイヤーが求める藍の色を出すことで、これを確実にすることができる。藍の粉末に関しては、藍のそうめんを商品化済みの他、東京のカフェでも当社の藍の粉末を使用したクッキーを販売中である。フランスの日本食のサイトや、スカイマークの機内誌で当社が紹介され、九州カードの顧客あてDMにおいても、藍の粉末がプレゼントとして取り扱われるなど、注目をいただいている。
藍は工芸作物としての取り扱いが主であるが、葉・茎とも食品として提供することが可能である。食品、雑貨の複数チャネルでの取り扱いが可能である。農作物としても、一年草で年3回以上の収穫が可能で、農閑期の収穫・出荷が期待できる。残留農薬検査・成分検査を行うことで、海外への販路拡大も進めていく。
連携先での無農薬栽培の耕作地は確保済み。一年草であるため、容易に栽培ができ、事業期間内に収穫可能。原材料の生産は、連携先以外の農業者等に委託可能で、収穫量は十分確保可能である。蒼い色を発色するハーブはすでに確保できており、商品の発色具合の調整等を実施。茎の焙煎については、本事業で調達する設備で、試作を行う。商品化後は、焙煎等の技術を持つ業者への委託を検討していく。
地域活性化への波及効果
連携先が栽培している野菜などは、春から夏に収穫できるものが少なく、土地や労働力の有効活用を模索していた。藍の栽培により、この期間の作物を補完することで、農閑期の出荷、休耕地の有効利用が可能となり、売上の拡大が見込める。
雲仙市は農業が基幹産業の地域であるが、付加価値の高いものや拡張性のある作物が少ない。徳島県においては、特産の藍染を打ち出したブランド化を進めており、今回の食べる藍を中心に商品を開発することで、藍の産地としての雲仙市のブランド化の可能性もある。また、これらの取り組みにより、農業従事者の所得向上、加工・販売における雇用の促進も期待できる。
代表企業等の連絡先
アイアカネ工房
所在地:雲仙市小浜町北本町 1012
電 話:090-3899-1393
HP:http://aiakane.com/
採択日:平成30年1月25日