水産物

ゆうこう真鯛、ゆうこうシマアジを活用した商品開発及び販路開拓

有限会社雄昇水産

長崎県長崎市

【連携体】

  • 協和商工株式会社

事業内容

当社は長崎県長崎市牧島で、水産養殖業を行っている。 創業から20年経過しており、当初はトラフグ中心の養殖を行っていたが、水産環境の変化や市場ニーズの変化によりマーケットイン型の養殖業への転換をしてきた。現在は長崎市の新しいブランド魚である『ゆうこう真鯛』の養殖に力を入れ、長崎市内を中心に鮮魚の販路を広げている。
また、当社のコロナ禍の取り組みの中で一部、ECサイトでの販売に挑戦した経緯があり、BtoCへの可能性を感じたことから、本事業で継続的なBtoCでのお中元、お歳暮などのギフト商品の販売に挑戦していくとともに、ギフト用の加工品の新商品開発も行っていきたい。
連携体の協和商工株式会社では、鮮魚でのBtoBの販売を行っており、当社の販路開発に大きく貢献してもらっている。また、協和商工株式会社独自のお中元、お歳暮カタログを30年間企画されており、BtoCでの消費者ニーズも把握している。
協和商工株式会社と連携し、協和商工株式会社が持っている知見や販路を今回のギフト商品の開発、新商品の開発に用いることでBtoCでの継続的な販売を行っていき、当社の事業の新しい柱にしていきたい。

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

当社はこれまで飲食店やスーパー等をターゲットとしたBtoBの鮮魚の販売を主としており、BtoCをターゲットとしたお中元、お歳暮用のギフト商品開発及び加工商品の開発は新しい取り組みである。
長崎市のブランド魚『ゆうこう真鯛』、『ゆうこうシマアジ』を使用したギフト商品や加工品は少なく、特にシマアジの干物は市場にはない商品である。
養殖業は現状1年半~2年の養殖期間を必要としており、出荷前の魚体の小さい養殖魚は市場に価値がなく未利用魚となっている。
近年の海洋環境など変化で夏場の赤潮被害などを考慮すると魚体の小さい出荷前の鮮魚も(未利用魚)干物などで高付加価値化できれば収益性を上げることもできる。
また養殖業の強みを活かし、安定的な原料の確保が可能である。
魚体の小さな出荷前の養殖魚(未利用魚)の商品化自体が他に例のない新商品の開発となり、サスティナブルな水産業の実現につながっていく。

水産県である長崎のギフト商品はかまぼこなどの商品は充実しているが、その他のブランド魚といわれる水産県長崎を代表するような魚のギフト商品は少ない。養殖事業者の強みを活かし、ギフト商品を開発することによって長崎県内の消費者が県外へ贈り物とするギフト商品をつくりたい。
『ゆうこう真鯛』、『ゆうこうシマアジ』の鮮魚の販路開拓をしていく中で、消費者から長崎の美味しい魚を県外の知人に送りたいとの声が多く聞かれている。
しかし、家庭では鮮魚を一から捌くことは難しいとの声もあり、自宅で簡単に調理ができる加工商品などが入っているギフト商品は潜在的に需要が高いと確信している。

商品化後は自社ホームページでの販売や連携体である協和商工株式会社のギフトカタログでの販売も始める予定であるが、展示会・商談会への出店を重ねることで全国への販売も徐々に拡大していく。既存の鮮魚の販路であるスーパー等のギフトカタログにも掲載できるよう協和商工株式会社を通じて商談を重ねていく。
今回は自社のブランド魚である『ゆうこう真鯛』、また株式会社昌陽水産の『ゆうこうシマアジ』を使ったギフト商品を作っていくが、同じ地区の水産事業者とも連携し戸石牡蠣や太刀魚など魚種に合わせた水産加工品を開発していきながら、ギフト商品の種類を増やし牧島地区や戸石地区全体の魚価の向上をはかりながら地区全体の活性化に努めていきたい。

当社は創業以来、養殖事業については20年以上の実績があり、原料の安定的な供給は可能である。また、ブランド魚の特徴を活かしたデザインなどは長崎市水産農林部などにもヒヤリングを重ね『ゆうこう』の特徴を活かしたデザインを考えていく。量産については現在、業務用として鮮魚の『ゆうこう真鯛』を冷凍の60gの切身に加工してもらっている有限会社天洋水産に干物の加工などを外部委託する予定である。目標売上については、自社ホームページでの販売や協和商工株式会社のカタログギフトでほぼ実現が可能である。
また、日本テレビ系ドラマ「ファーストペンギン」のモデルとなった株式会社GHIBLI代表取締役の坪内知佳氏によるコンサルティングにより、BtoCの全国的な事業展開の実現の可能性をあげていく。

地域活性化への波及効果

これまで鮮魚としては価値の低い出荷前の魚体の小さい未利用魚を有効活用していくことで、『ゆうこうシマアジ』などの魚価の向上をはかり、同じ地区の養殖業者である株式会社昌陽水産の収益の増加につながる。
また、事業終了後は牧島戸石地区の一本釣りや底引き網の水産事業者と連携して、市場価値のない未利用魚を使った水産加工品などを商品開発し、ギフト商品として提案していくことで市場価値のない未利用魚の知名度の向上につながり、魚価の向上をはかれる。
この事業を通して水産業の活性化をはかることができれば水産業の新規就業者数も増加も見込まれ、町全体の人口増加につながることを期待したい。

代表企業等の連絡先

有限会社雄昇水産
所在地:長崎市牧島町784番地
電 話:095-865-9639
FAX:095-865-9639
HP:https://www.instagram.com/yushosuisan/

採択日:令和6年5月24日