南島原の農産物を活用した手延べパスタの商品開発と販路開拓

本多製麺有限会社

長崎県南島原市

【連携体】

株式会社arimato
株式会社セミナリヨの丘銀杏畑

事業内容

当社は、老舗の島原手延べ素麺製造業者で、独自の販売ルートを開拓してきたが、素麺の消費量は夏期に集中するため、5年前から「手延パスタ」の商品化に取組んできた。本事業では、南島原で有名でかつ体に良い作物である「原城トマト」と「翡翠色銀杏」の規格外品を使用し、作り手の顔が見える「南島原市産の安全・安心な商品」として新商品の開発と市場展開を実現する。長崎県産の中でも「南島原市産」農産物を原材料とし、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」とのストーリー性を有する「パスタ」として、また、既存商品である「ロザリオ南蛮パスタ」の関連商品としてのセット商品として、販路拡大を目指していく。今回の事業では、福岡や首都圏で開催される展示商談会に出展し、県内・県外への販路開拓を目指す。

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

デュラム小麦粉100%の手延パスタは、他にはない新しい商品である。当社の既存商品に使用された農産物は県外農産品であり、県内の農産物を原材料とした手延パスタは初めての取り組みである。その手延パスタに県内産の農産物を練り込んだ商品は、他には存在せず、新規性が高い。

食に対する消費者の安全安心志向は高まっており、国産商品の価値は高まる一方である。本事業の取組は、作り手の顔が見える商品の市場展開により、消費者ニーズに支持される商品に育つことが期待できる。既存取引先の販売ルートを活用し、地元産の原材料を使った物語性のある商品として市場展開していく。

パスタに活用される「原城トマト」「翡翠色銀杏」は、パスタの材料として更なる販売高に寄与できることになり、連携体各社の販売商品としても取り扱いが可能となる。既存取引先のバイヤーからは、九州・長崎シリーズの麺などの商品化の要望も強く、他の長崎、九州産の農産物等を原材料とした麺の開発に取り組んでいく。デュラム粉についても、いずれは長崎産の粉を使用して、安全安心な商品としたい。

手延べ素麺の加工技術を応用して製造する「手延パスタ」の製造設備を完備し、様々なパスタを開発してきた実績があり、商品開発は技術的には問題ない。原材料の農産品についても、規格外品を利用する予定であり、連携体の農家のネットワークも活用可能なため、安定供給は可能である。

地域活性化への波及効果

「原城トマト」は規格外商品を原材料とするため、トマト農家にとっても未利用資源の有効活用となり、収益性向上につながる。「南島原翡翠銀杏」においても、粉末やみじん切りにして原材料とするため、形状に拘ることなく、規格外の未利用資源を有効活用するため、農家の経営改善につながり、双方にとって有利に進むこととなる。南島原が誇る「手延べ製法」で製造された手延パスタの販路拡大が、南島原の製麺技術力のPRにつながり、島原手延べ素麺のブランド価値の向上や、消費拡大という波及効果を及ぼす。