その他

漁獲物の付加価値向上等を目的とした漁獲情報流通システムの開発

オーシャンソリューションテクノロジー株式会社

長崎県佐世保市

【連携体】

  • 宇久小値賀漁業協同組合

事業内容

当社は2017年の設立以来、漁業者支援サービス「トリトンの矛」を中心に事業展開を進めてきた。「トリトンの矛」とは、衛星測位技術を用いて漁船の位置・速度・時間等のデータを収集し、LTE(4G)通信網を経由したデータをクラウドへ格納し、漁業者や行政機関向けに操業データを提供するサービスである。今回、「トリトンの矛」を導入している宇久小値賀漁業協同組合と連携し、荷さばき所における荷受・出荷に関する情報データ化の即時性を高めることを目的として、音声入力式荷受・荷揃えシステムを開発する。そして、同システムの導入促進を通じて、漁獲物の付加価値向上を図り、持続可能な漁業の実現に向け、本事業を推進する。
■事業化予定:令和8年9月

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

当社の漁獲情報流通システムは、「いつ、どこで、だれが」といった操業に関する情報を「トリトン矛」で自動的に収集する点に新規性がある。
「トリトンの矛」は、当社開発の漁船仕様IoT機器及び独自開発AIを活用することで操業情報を自動収集することが可能であり、この自動化によって、漁業者のデータ入力労力が大きく削減されることに加えて、データの改ざんがされにくいという効果も期待される。

水産庁は、「水産政策の改革について」(令和7年1月)において、水産資源の適切な管理を通じて水産業の成長産業化を実現し、水産政策改革の一つとして、資源管理から流通に至るまでICTを活用し、競争力のある流通構造の確立等を目指すこととしている。
このことを踏まえ、水産業におけるICT活用ニーズは広く高まっており、水産資源流通の拠点となる漁業共同組合が全国に864(うち長崎県内30)あることから、漁業情報流通システムの市場規模は広範であると想定される。

「スマート水産業-国内市場の現状と将来展望-」(㈱SVPジャパン、2025年1月22日公開)によると、スマート水産業の市場規模は漁師の勘と経験に頼る従来の方法からの転換が進む中、年間30~40%の成長が期待され、2026年には約30億円の市場規模に達する見通しとされている。このスマート水産業普及の流れが、今後、「トリトンの矛」や漁獲情報流通システムの提供へと波及する事を見込んでいる。
そして、宇久小値賀漁協においては、同システムの導入によって漁獲物のブランド化促進等の取り組みに寄与することが期待される。

2023年度から、宇久小値賀漁協と漁獲情報流通システム構築に向けた検討を開始し、現場の確認や、関係者へのヒアリングを通して顧客ニーズを把握してきた。2024年度には、音声認識ツール「AmiVoice」のデモツールを利用し、音声のテキスト化がなされることを、同漁協と共同で確認できている。
また、2024年1月、EUのIUU漁業規則が改正された。この改正によって輸入事業者に漁獲証明書情報の申請が義務づけられることから、今後、IUU漁業で採捕された漁獲物を排除する取り組みが進み、数年中には、漁獲情報流通システム普及のカギとなり持続可能な漁業に対する消費者の機運醸成が期待する。

地域活性化への波及効果

漁獲情報流通システムが普及することにより、漁協や漁業者(生産者)において、漁獲物の付加価値向上(魚価上昇)による売上・手数料収入の向上、荷さばき作業の効率化による経費削減、漁労所得の向上による新規就業者の増加といった効果が期待される。
これに加えて、消費者においては食の安心・安全を受容することにつながり、地域社会においては、持続可能な漁業が実現されるとともに、地域ブランド化による観光客の増加など、離島産業の持続化・活性化にも寄与することが期待される。

代表企業等の連絡先

オーシャンソリューションテクノロジー株式会社
所在地:長崎県佐世保市有福町203-1
電 話:0956-37-9317
FAX:0956-37-9318
HP:https://www.ocean5.co.jp/

採択日:平成25年5月23日