農産物

オリーブ由来機能成分の効果検証から商品化事業

株式会社アグリューム

長崎県西彼杵郡長与町

【連携体】

  • 株式会社サンダイ

事業内容

2017年11月に設立し、オリーブや果樹・植物鉢苗等の栽培、食品加工製造を開始した。2018年9月に長与カラフル(長与町所有、農産物加工販売所)の施設を購入し、オリーブ搾油機を使用したオリーブオイルを自社で製造し、併せて果実のジャムなどの製造販売を実施している。
また、オリーブ残渣の活用を図るため、九州大学農学部研究院と「オリーブの機能性評価」に関し共同研究を開始した。
本事業では、オリーブの持つ機能性のうち特にコラーゲンを増やす機能(肌の弾力性の回復や維持)に着目して、研究の成果を生かすべく機能性化粧品の商品化に向けた取組みを行う。
商品化に関して、九州大学農学部研究院と共同研究を行うとともに、機能性表示食品等の製造・販売のノウハウがある株式会社サンダイと連携して取り組む。
機能性成分の効果実証後は、展示会への出展や大手の化粧品等の製造企業へのOEM供与などテストマーケティングを実施して事業展開を図る。

事業実施体制

新商品又は新役務の内容とその市場性・競争力

当社はオリーブの実と種を分離する技術(製造機器)を開発し(その理由は、化粧品原料となるためには、その部位の特定が必要であるため単独で特許出願済み。
九州大学との共同研究の成果として、種(残渣を含む)からの有効成分を発見。
その一部効果(抗アレルギー・睡眠促進機能)の特許を九州大学と共同出願済み。
今回着目したコラーゲン産生とエラスターゼ阻害活性による肌の弾力性維持や抗しわ機能についてはin-vitro(試験管ベース)で実証済み。
コラーゲンを増やすオリーブ由来の成分を発見したのは、国内では九大が初めてとなる。

天然由来の機能性成分・素材市場はサプリメント、飲料、加工食品などの食品関連分野を中心に今後の使用増加が期待される。また、食品関連分野だけでなく、化粧品や医薬品など幅広い分野で付加価値向上のためのキーマテリアルとして市場の活性化が予想される。
また、「肌(シミ、シワ、乾燥、老化、ニキビなど)」の関心度は高く、機能性(肌の弾力性維持)を持つクリーム等は今後も期待される。

天然由来の機能性成分を有した食品、化粧品は関心度が高く、機能性を生かした新商品も今後随時検討していく。
今回の九州大学との臨床試験は主に肌の弾力性に関する試験に加え、抗しわの効果や保水性(保湿力)などの科学的なデータも臨床試験で明らかになるため、その効果(的確に表現・デザインしてエンドユーザーに訴求できれば)を持つクリームに関しては市場が求める可能性が高い。さらには、抗酸化機能(アンチエイジング)や毛髪促進機能など肌のクリーム以外の乳液、化粧水、発毛剤・育毛剤など、今後の展開が期待できる。
また抗アレルギー・睡眠促進などの機能も持っており、経口摂取でも効果が出る可能性もあるため、食品・サプリメント、機能性表示食品と言った新たな市場への進出も可能と考える。

当社は産学連携コーディネーターの支援により、2021年より九州大学との共同研究を実施してきており、その成果(効果)も毎月の定例ミーティングで確認しながら、研究を続けてきた。
本事業については、細胞ベースの2つの実験(コラーゲン産生試験、エラスターゼ活性阻害試験)にオリーブの持つ有効成分について機能が証明されており、肌の弾力性の保持機能については、良好な結果が期待される。さらに、臨床検査で安全性・効果を検証することで、機能性化粧品としての安定的な販売に至る可能性は高いと考えている。また、連携体のサンダイは機能性(表示食品等)の企画・研究・開発・商品化へのノウハウを持っており、今回試作品から商品化を目指すうえで大変心強い企業である。

地域活性化への波及効果

オリーブ栽培については、長崎県内でも島原地区、長与地区、西海地区、佐世保地区などで栽培されているが、販売が伸びない状況が続いている。本事業により、オリーブの種(残渣)が価値を持ち商品化につながれば、オリーブ農家においては未使用(廃棄処分)資源の活用と収益確保が可能となる。

代表企業等の連絡先

株式会社アグリューム
所在地:西彼杵郡長与町嬉里郷1131-4
電 話:095-883-7500
FAX:095-887-2939
HP:https://agrume.jp/

採択日:令和6年7月25日